2012夏秋 きそがわ日和 に、行ってきました。美濃加茂の旧道で催されるアートプロジェクト、毎回完成度が高く楽しみな催し。町並みを未来の子供たちにお返しするという意味でも、とても素晴らしいと感じます。私の町でもこんな取り組みをしたいなぁといつも思う。
http://kisogawa-biyori.com/
写真は、ある展示会場の一室。外のツタが室内まで入り込んでしまってる。乾燥した室内、細いツタから必要なものを伝える。わずかに生き残った葉っぱが、窓からの光を吸収して彩る緑に、一瞬ドキッとした。これを自然というべきなのか迷いもしながら、劇的に空気を変えてしまう植物の存在感を感じました。
そして、こちらはプライベトビーチ(?)での木曽川の風景。
魚が足元を泳ぐ川床でのお食事会、子供達は魚採ったり、川を造ったり、水切りして大遊び。家を建てるなら、こういう場所に建てれば楽しいだろうね。ちなみに、大人はビールとワインに酔って、グー眠り。
恵比寿のレストラン。小さな丘の上に建つこのレストラン、テラスに出ると広大な庭が緩やかな下りの斜面になってる。石畳の小道に沿って歩くと、左右の林の中に、緑に覆われた茶室と割烹? が隠れていました。室内には、大量のガレコレクションに藤田嗣治のリトグラフ、今井俊満や千住博の絵画、ちょっとした美術館です。そして、あちらこちらにルイ13世・・・。
本日のワインは4本。 トゥーレーヌ ソーヴィニヨン ロワール (白) ・ アルザス リースニング ドメーヌ (白) ・ ポマール プルミエクリュ (赤) ・ シャトー ボーン(赤) 。
美味しいワインに、一流のサービスと料理。年に一度は、こんな時間を作りたいですね。
ついでにこの部屋、ティファニーのスタンドに石のフロアと漆の壁、そして漆のテーブル・・・。
照明の使い方、外の緑の取り入れ方、素材の組み合わせ、細かなおさまり。日本庭園と洋館。丘を下る途中に、林に埋もれた割烹が、チラッと見えたのが最高でした。さっ、たくさん収穫したし、山へ帰ろっ。
今日は、GREEN SQUARE の定例会議。 その後、ご来賓?のお客様と、造作中のGREEN SQUARE の見学。完成まであと、1か月。
では最後の Geoffrey Bawa .
Lunuganga http://www.geoffreybawa.com/lunuganga/photogallery.html
もともと弁護士だったバワが、建築を始める前から造り始め、最後まで造り続けた未完の空間 「ルヌガンガ」。
例えば、革の鞄のような、時間とともに深まっていくような、バワにとって「愛しい家」だったことでしょう。
いつか、私の暮らすこの家の柱も朽ちる時が来るけれど、好きなこの家を大切に造り続けていきたい。
話は変わって、今は世論のおかげもあって、家は買うモノに変わり、汚れるモノになってきた気がする。
「家は買うモノであり、汚れていくモノ」 ・「家は作っていくモノであり、古くなるモノ」。
この大きな違いは、自分の家が好きであることにつきる。それは、少しの建築の知識と、たくさんの可能性をイメージして本当に暮らしたい家を考えて作ればいい。決してお金のせいじゃない。
「家に合わせて生活し、汚れて合わなくなったらやり直し」ではなく、「暮らしに合わせて家を作り続けていく楽しさ、家族の思い出を刻みながら古くなっていく良さ」が、もっと身近にある事を知ってほしいし、そう願う人のお手伝いができればうれしい。
昨日は2件の打ち合わせ。鵜沼のリフォームは、細かいところまで詰めることができ、来月には見積もり入札に入ります。
もう一つは、先々週に測量させて頂いたお客様へのファーストプレゼン (敷地計画と家の間取りの一回目のご提案) 。
こちらの敷地に対する提案を、気に入って頂いたようで、次へ進むことになりました。南東に向かって広い縁側、北と南に中庭。
昨晩は何時間睡眠したのかわかりませんが、とりあえず引き続き Geoffrey Bawa .
Kandalama Hotel
1994年建造。 もう間もなく、このホテルは全て緑に覆いつくされ、山の一部となって完成にいたる。
スイートルーム1泊 392 US$ ~
TEL : +94 665555000,
FAX : +94 66 5555050
EMAIL : [email protected]
ようやく明日の図面が仕上がった。明日というか今日、いやもう朝だ・・・。
仮眠の前に、今日というか昨日に引き続き、Geoffrey Bawa .
de Soysa House http://archnet.org/library/images/one-image-large.jsp?location_id=9042&image_id=41966
どうして、こんなにも気持ちがいいんだろう、早くバワのような世界までいってみたい。
引き続き、Geoffrey Bawa .
Ena de Silva House http://www.geoffreybawa.com/work/The_Early_years.html
バワ、若いころの作品。 大きな中庭に大きな木。
この木が、どんどん大きくなったら、この木の上に、いい2階が作れそうですね。
今月号の pen は Geoffrey Bawa .
Bawaの自邸 33rd Lane http://www.geoffreybawa.com/NUMBER_11/photogallery.html
こんなにたくさんの庭があって、壁のある家は、楽しいだろうねぇ。
たくさん庭があるというより、家が一つの庭みたいだ。
頭の中で、一つ一つの部屋からの眺めを想像してみる。
なんでここが壁であそこに壁がないとか、ここには天窓がほしい、一番気持ちがいいのはあの部屋のあの椅子に座って眺めるあの庭・・・。
今度の休みは、この家の模型を作って長女に見せてあげよ。
本日は、耐震診断を兼ねてある家の調査へ行ってきました。
これは地震予測表、ちょっと前のデータです。地域ごとに予測がされています。
先日、12月14日 13:01 美濃東部 (E 35.4 N 137.3)で地震がありました。 震源深さ50M マグニチュード5.2 。
中津川・恵那・瑞浪・郡上で震度4。美濃加茂・可児・八百津このあたりは震度3。
2010年は、岐阜県内で震度4を観測したのは0回ですが、2011年は、今回で6回目。
この地域で、過去の統計から予測される地震は、今年発生した東日本大震災と同じ ① 海溝型地震(東海・南海・東南海地震) と、1995年に発生した阪神淡路大震災と同じ ② 内陸型地震(阿寺断層地震) らしいです。
① 海溝型地震 発生確率 87%
東日本大震災の震源は三陸沖。震源域は関東までの広範囲に及びました。
例えば、震源地が東海で震源域が南海まで及ぶ地震が発生した場合、ここ岐阜県八百津町錦織では、震度 Max 5.24 らしいです。
② 内陸型地震 発生確率 6~11%
断層豊富な岐阜県。家から、もよりの大きい断層は、下呂から中津川にかけて走る阿寺断層帯。
例えば、ここで発生した場合、ここ岐阜県八百津町錦織では、震度 Max 5.28 らしいです。
ご参考までのデータですが、どちらも震度5弱程。 ここのような内陸部では、海溝型のような海で発生して揺れる震度5よりも、内陸型のように足もとで発生して揺れる震度5の方が、過去の状況から考えると大変危険です。
直近、岐阜県内で震度5を観測したのは、昭和44年9月9日の美濃中部地震( E35.9 N137.0 ) 震源深さ20km・マグニチュード7。
震度5観測地は郡上郡と益田郡、このあたりは多分震度4。
地震の被害は、山崩れ、崖崩れのため道路損壊などの土木被害。負傷者や家屋被害は、ほとんど落石が原因。
地震が気になる方は、一度各務ヶ原の防災センター(Web)で、過去の大地震と東海地震の想定の揺れを体験されるといいと思います。
地震について人の話や本を読むより、まずは震度5がどんなものなのか? 体で覚える事が一番の備えになるかもしれません。
今年2度目の信州安曇野へ、まだ山々に雪はかかっていませんでしたが、紅葉が綺麗だった。
今回は私の目標の一人、建築家 降幡 廣信 氏 にお会いする為に。 今から30年前に、初めて「民家再生」の仕事をされた方です。
名刺の交換をさせて頂き、少しばかりお話をしました。
降幡氏は静かな口調で、故郷である信州安曇野の、風景・自然に調和した本棟造りという民家の風土が心から好きだ、そしてこの美しい風土を次世代に引き継ぐんだ、という言葉を繰り返しおっしゃられていました。
著書は全て何度も読んでいましたが、細かい事は抜きにして、ただただシンプルな理念をお持ちの素晴らしい方でした。
降幡氏がされてきた仕事は、100年経ってもこの安曇野の風土を次世代に伝え続けることでしょう。
私が好きな言葉に、「 風土1000年 風景100年 景観10年 」 という言葉があります。
改めてこの言葉を見直し、この地方の美しい風土、そしてこれからの子供たちに何ができるのか、日々考動しなければなりません。
昨日、2月に私の所へ「 無農薬の藁 」を求めて来られた、名古屋の左官屋さんの所へ、勉強を兼ねて現場見学に行ってきました。
福田業務所(FUKUTA plasterer work office)の福田さんは左官職人です。自然の素材を使い、人にやさしい安全快適な住空間づくりを理念とされ、漆喰と石灰モルタルに力を入れられておられます。 普通の左官職人とは異なり、化学製品や樹脂に頼らない独自の材料を調達・配合して、独自の施工法で、漆喰の壁を作っておられます。
「漆喰や石灰モルタルとは一体なんだ?」というと、今も残る古代ローマの建築物や、古くから日本の建築物の材料であり、5000年以上も古くから現在に至るまで、人の暮らしの中心にあるシンプルな素材です。
「どんな働きをするのか?」というと、雨や湿気に対する防水性 ・ 火気に対する不燃性 ・ 調湿機能(湿度が上ると湿気を吸い、乾燥すると湿気を吐く。土蔵の仕組みです。) ・ 気硬性(長い年月をかけ、二酸化炭素を吸収しながら硬化していく。岩に戻っていく感じ。) ・ 有害物質の吸着と分解の機能 。 そして何より僕が気に入っていることは、長い期間美しい姿でたたずんでくれることです。
「では、それは何でできているのか?」というと、簡単にいうと石灰です。 石灰とは、石灰岩を焼いて二酸化炭素をとばして作られます。 石灰岩とは、大きな岩石である地球を形成している鉱物のひとつです。 そして、石灰に水を混ぜると漆喰の出来上がりです。 化学式ではこういうこと。 (おもいっきり大雑把で私のメモ程度なので、責任はとれません、各自で判断してください)
CaCO3 (石灰岩) → CaO (石灰) + CO2 (二酸化炭素) CaO (石灰) + H2O (水) → Ca(OH)2 (漆喰)
そして、漆喰を塗り終わり水が飛んで乾燥すると、ゆっくり時間をかけて空気中の二酸化炭素を吸収しながら、岩に戻ります。
Ca(OH)2 (漆喰) → CaO (石灰) + H2O (水) CaO (石灰) + CO2 (二酸化炭素) → CaCO3 (石灰岩)
この簡単な仕組みで、何千年の昔から人々が使い、地球の一部となり今も残っている。木と同じ自然に逆らわないの素材なのです。
ところで、なぜこんな良いものが減ってきたのか・・・?
理由は木の家が減ったのと同じで、時間や技術といった手間がかかる。 だからお金もかかるし、自然の素材なので勿論自然に従い影響を受ける。 米や野菜と同じで、自然の影響を受けず人工管理して製造する方が、企業も手間がかからず大量生産して安く提供できる。 消費者も、整った商品のような野菜や米の方が、きれいでしかも安いので購入する。
家も無垢の木と漆喰で職人が作るよりも、工場で化学製品や産業廃棄物をまぜて、商品を大量に製造して組み立てる方が、 消費者も見た目がきれいで安いので購入する。
副作用は原因が分からないものもあるが、シックハウス症候群や最近多いアレルギーやいろんな病気。または耐震偽装事件もそう、なんでも安いという事 だけで行動することは、危険な場合がある。もし何か起こった時には、結局自分に返ってくる。寂しい言葉ですが、自己責任だと思いました。
大事なことは、とにかく自分の目や耳や足で事実を調べ、自分なりに危険な事(リスク)と投資金額(予算)と考えて、判断していくことです。 設計事務所の立場として、お客様にそういった提案・アドバイスをすることは、今後大事な仕事になるように思いました。
ちなみに、昨日いろいろ話をうかがって、自分の家やる時は、漆喰を最優先して使おうと改めて思いました。
福田さんとの話について、もっと伝えたいことがありますので、自分なりに理解を深めて改めて報告します。
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家に関わる仕事をしている人(設計者や営業の人)には、「こんな家が暮らしやすくていいですよ」とか「こんな家が楽しいですよ」という様々な理念や思いや提案があります。もちろん、そこに暮らす家族や土地や予算や目的によって、いろんな答えがあります。 しかし、その最もリアルな答えは、言葉や活字ではなく、またその人が作ってきた作品でもなく、本人が暮らしている家にその答えはあると思う。 この本を見ながら、そう思いました。
例えば、車関係の人が乗っている車、料理人が普段食べているご飯、お医者さんが自分に使う薬、新聞記者が読んでいる記事、保険会社の人が加入している保険・・・など、もちろん好みの問題は多いにありますが、言葉や活字よりも、理屈抜きでリアルですよね。
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今日は、風が強いです。気密性の少ない私の家は、どこからでも風が通り抜け、建具やガラス戸がすごい音で揺れます。床下から風が通る音が聞こえます。天井からチリが落ちてきます。家がきしんでいる感じがします。
部屋にいるのに、髪の毛はもちろん揺れます。強いブローが入ると、デスク上の図面が吹き飛びます。不思議な感覚になります。
現在、気密性がない家は、エアコン(暖房)の温度を強くしないといけないので、電気の消費量が増え、地球によくない、エコじゃないといわれてます。そういうこともあって、最近は温度調整が楽で高気密高断熱の家は常識です。確かに快適です。
しかし、それは良いことばかりかというと、悪いこともあります。たとえば、家の素材に風が通りづらいということ。 窓を開ければ家の中を風が通るという話ではなく、柱や梁や壁など木や土などに空気が触れていない(素材が窒息状態)という話です。
私の家は、築100年を過ぎましたが15年ほど前に白アリの被害にあい、その部分の柱や梁・土台をやり直しました。 もちろんその部分は、40年ほど前に祖父がその当時の新建材と呼ばれた化学製品で改装した部分です。寒かったので、断熱をしたんだと思います。とても快適になったと思いますが、30年もたずにまた作り直すことになりました。 もちろん今回の改装では、新建材(化学製品やサッシ)を使わず、すべて木と土だけで筋かいもなし、昔の姿に戻しました。
私の地域(八百津)は山奥の田舎なので、風通しの良い家では夏にクーラーは要りません。 そのかわり冬の灯油代はかさみます。私の家でひと冬6万円ほどです。炬燵もありますが、1年でならすとそんなに光熱費が高いわけではないと思います。 そんなことより、私の経験から思うことは、柱や壁を新建材で覆い窒息状態の高気密高断熱の家を作っては、30年ごとに壊すほうが、どう考えても地球に悪くお金のかかる話です。 おそらく40年前の新建材と現在の新建材は、そんなに変わらないと思います。新建材はいつまでたっても新建材。 昔から新建材に変わることのない、ヒノキの柱と土壁を超えることはないと思います。
昔の人たちの家(伝統的工法の家)は、本当に自然に逆らわず、良く考えられた家だなと、最近よく思います。 地域にあった素材で、家族が長く使える間取りで、とにかく良く持つ家です。 むき出しのヒノキの柱は今もなお強度が高まっていると思います。 土壁・漆喰も石のようになりました。 使い込まれて手入れがされた無垢の木は日に日に味が増しているようです。 こういうことは、家の素材(木や土など)が空気や水気を吸ったり吐いたりして生き続けているからです。
悪いことといえば、ホント・・冬寒いことぐらいじゃないかな・・・。 冬【12月→2月の3ヶ月間】温かく暮らす方法を考える。
あともうひとつ、次の大きな地震が来たときに、いったい何が起きるのか?
いつも仕事の時は、そんなことを悩みながら、お客さんのことを想いながら、設計をしています。
私の家の場合、季節に従おう!とはいえ、少々体を張りすぎな「ので・・・、あまり参考にはなりません。ただ自分の家なので、家族のクレームに怯むことなく、家族の暮らしと自分のしたい暮らしとこの場所・地域に合った家に近づけるよう設計し続けたいと思います。
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今日は久しぶりに、京都山崎の山荘美術館へ。写真右手の階段通路を抜けた地下室には、クロード・モネの晩年の「睡蓮」
数年前の会社勤めだった頃に、ひとつ楽しみだったことがあります。それは、自分の住みたい土地を探すこと。仕事でお客様のところへ訪問する時や、散歩や旅の途中でも自分が、ここだったら住みたいと思える場所を、いつも頭の隅で探していました。当時は現実的に、移動手段は電車で車を持たない前提で、条件は最寄駅徒歩15分でした。
そんな事を思いながら、子供が生まれた頃の第一候補が、ここ山崎でした。サントリー山崎蒸留所があり、天王山の南麓、桂川と宇治川と木津川の合流地点。通勤便利な大阪・京都へ電車で30分。市街地化比較的に進んでおらず、不自然な住宅地や大型店舗なども少なく、古い家も比較的多く残っている町でした。ここで古い小さな中古住宅を買うか借りるかして暮らそうと、不動産屋をひやかしに行くのは楽しかった。という思い出の町です。
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