今日は、風が強いです。気密性の少ない私の家は、どこからでも風が通り抜け、建具やガラス戸がすごい音で揺れます。床下から風が通る音が聞こえます。天井からチリが落ちてきます。家がきしんでいる感じがします。
部屋にいるのに、髪の毛はもちろん揺れます。強いブローが入ると、デスク上の図面が吹き飛びます。不思議な感覚になります。
現在、気密性がない家は、エアコン(暖房)の温度を強くしないといけないので、電気の消費量が増え、地球によくない、エコじゃないといわれてます。そういうこともあって、最近は温度調整が楽で高気密高断熱の家は常識です。確かに快適です。
しかし、それは良いことばかりかというと、悪いこともあります。たとえば、家の素材に風が通りづらいということ。 窓を開ければ家の中を風が通るという話ではなく、柱や梁や壁など木や土などに空気が触れていない(素材が窒息状態)という話です。
私の家は、築100年を過ぎましたが15年ほど前に白アリの被害にあい、その部分の柱や梁・土台をやり直しました。 もちろんその部分は、40年ほど前に祖父がその当時の新建材と呼ばれた化学製品で改装した部分です。寒かったので、断熱をしたんだと思います。とても快適になったと思いますが、30年もたずにまた作り直すことになりました。 もちろん今回の改装では、新建材(化学製品やサッシ)を使わず、すべて木と土だけで筋かいもなし、昔の姿に戻しました。
私の地域(八百津)は山奥の田舎なので、風通しの良い家では夏にクーラーは要りません。 そのかわり冬の灯油代はかさみます。私の家でひと冬6万円ほどです。炬燵もありますが、1年でならすとそんなに光熱費が高いわけではないと思います。 そんなことより、私の経験から思うことは、柱や壁を新建材で覆い窒息状態の高気密高断熱の家を作っては、30年ごとに壊すほうが、どう考えても地球に悪くお金のかかる話です。 おそらく40年前の新建材と現在の新建材は、そんなに変わらないと思います。新建材はいつまでたっても新建材。 昔から新建材に変わることのない、ヒノキの柱と土壁を超えることはないと思います。
昔の人たちの家(伝統的工法の家)は、本当に自然に逆らわず、良く考えられた家だなと、最近よく思います。 地域にあった素材で、家族が長く使える間取りで、とにかく良く持つ家です。 むき出しのヒノキの柱は今もなお強度が高まっていると思います。 土壁・漆喰も石のようになりました。 使い込まれて手入れがされた無垢の木は日に日に味が増しているようです。 こういうことは、家の素材(木や土など)が空気や水気を吸ったり吐いたりして生き続けているからです。
悪いことといえば、ホント・・冬寒いことぐらいじゃないかな・・・。 冬【12月→2月の3ヶ月間】温かく暮らす方法を考える。
あともうひとつ、次の大きな地震が来たときに、いったい何が起きるのか?
いつも仕事の時は、そんなことを悩みながら、お客さんのことを想いながら、設計をしています。
私の家の場合、季節に従おう!とはいえ、少々体を張りすぎな「ので・・・、あまり参考にはなりません。ただ自分の家なので、家族のクレームに怯むことなく、家族の暮らしと自分のしたい暮らしとこの場所・地域に合った家に近づけるよう設計し続けたいと思います。
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