先日、お客様が「こんなイメージの家に住みたい」ということで、直接ある家に連れて行ってもらいました。ご案内頂いた先は、ドイツご出身の牧師の家。
築30年、当時は資金に余裕がなかったそうで、出来る限り牧師さん自身の手でお作りになられたそうです。といっても、設計デザインから、外装のペンキや土塗り・内装の板張り・クロス張り・階段の制作・家具照明などなど、ほとんど手作りの家でした。シンプルな家でしたが、お客様がおっしゃる通り可愛らしい木の家であり、少し昔に戻ったような空気を感じました。
とても30年経過したとは思えないほど丁寧に手入れされた家でした。やはりご自身も家づくりに携わられただけあり、手入れすべき所・修理すべき所などよくご存知でした。60ちかい牧師の夫婦が「やっと柱や梁の木の色が少しづつ変わってきたんだよー」と、子供の成長を喜ぶように優しく木に触れていたのが、とても印象的でした。この空間は、家のことを知っている人が30年愛着を持って暮らしてきた結果、このような空間が生まれたんだと思いました。例えば、昔に買った革のバックをまめに油を塗って風通しの良いところにおいて、たまに眺めたりしながら大切に使っているような、そんな感じで暮らしていらっしゃいました。
このような家が理想のお客様には、お客様に家のことを知ってもらう事が大切です。素材も手入れもシンプルな分かりやすい家。
そういえば、私も自分の家についてまだまだ知らないことが多く、暮らしきれてないです。とりあえず、そろそろ障子を張り替えて、ひびの入った瓦を取換えて、床も柱も天井も雑巾がけして、手入れをしてあげたい。はやく、自分の住んでいる家のことを知り、自分の体の一部の様に大切にしたいなと思いました。
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